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世界平均を超える速度で上昇 — アフリカ沿岸の海面上昇が2億人の生活を脅かす

深海ログ編集部
出典: Phys.org / The Conversation — Sea levels around Africa are rising faster than the global average原文を読む →
Ocean waters - sea level rise visualization

アフリカの海は世界より速く上昇している

1993年以降の衛星観測データを分析した結果、アフリカ沿岸の海面は約11.26センチメートル上昇し、年間上昇率は3.54mmに達していることが明らかになりました。世界平均の3.45mm/年を上回っており、しかもその速度は加速しています。

最も深刻な地域

  • 西インド洋(モザンビーク、マダガスカル、コモロ):年間3.88mm、加速率0.16mm/年²で最大
  • 東部中央大西洋(ギニア湾、セネガル、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン):年間3.90mm

原因 — 温暖化による熱膨張が70%以上

海面上昇の主な原因は2つあります。1つ目は海水の熱膨張(温められた海水が体積を増す現象)で、最近の上昇の70%以上を占めています。2つ目はグリーンランドや南極の氷床の融解です。

2023-2024年の異常上昇

2023-2024年のエルニーニョ現象の際、27mmという異常な海面上昇が観測されました。この2年間だけで2.34cm上昇し、1993年以降の全上昇量の19%に相当します。

2億人への影響

アフリカの38の沿岸国には2億人以上が海岸線の近くに住んでいます。海面上昇は以下の脅威をもたらします:

  • 沿岸の洪水と浸食の激化
  • 淡水や農地への塩水侵入
  • 漁業の混乱による食料安全保障への影響

海洋温暖化が微生物に与える影響については「温暖化する深海の意外な適応者」もご覧ください。

編集部の解説

「世界平均」に隠された地域格差 — 海面上昇は世界一様ではありません。アフリカ沿岸が世界平均を超えて上昇しているという事実は、気候変動の影響が最も脆弱な地域に不均等に集中していることを示しています。

エルニーニョの破壊力 — たった2年間で1993年以降の全上昇量の19%が発生したという事実は、自然の気候変動と人為的温暖化が重なった時の破壊力を物語っています。

適応策の緊急性 — 排出削減は長期的に不可欠ですが、すでに進行中の海面上昇に対しては、沿岸防護、海洋モニタリング網の拡充、塩害対策など、今すぐの適応策が必要です。

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