MBARI・NOAA・JAMSTECなど世界の海洋研究機関が発信する深海探査・海洋生物・環境変化の最新ニュースを日本語で紹介。
北極海の水温を氷の下から測る方法がなかった。スクリプス海洋研究所のチームは音響温度測定に着目し、アラスカからスヴァールバルまで2,600kmの実験を実施。信号は2,500km以上を伝播し、季節的な水温変化を捉えることに成功しました。
オーストラリア北東沖のコーラルシー海洋公園で110種以上の新種が確認されました。深海キャットシャークや新種のエイ2種を含む発見で、暗号的種の解析が進めば200種を超える見込みです。CSIROとOcean Censusが共同で実施した35日間の航海の成果。
ワシントン大学の研究チームがアラスカ産のサケ缶178個を調査。1979年から2021年にかけて、カラフトマスとシロザケで寄生虫アニサキス類が増加していました。寄生虫が増えた理由は、宿主である海洋哺乳類の回復。缶詰が海の歴史を語るタイムカプセルになりました。
南極の氷が溶けた水は海に流れ出すだけじゃない。海底の地下にも染み込んでいく。MBARIが率いる国際チームが南極初のCSEM電磁探査を実施し、海底下の地下水とガスの流れを調べた。南半球で最も急速に温暖化する南極半島西部で何が起きているのか。
シュミット海洋研究所の100回目の遠征で、ウルグアイ沖の水深300mに1.3km²の巨大サンゴ礁群を発見。冷水性石サンゴが作る高さ40mのマウンド、新種候補30以上、メタン湧出域の化学合成生態系まで確認された。
ユタ大学の研究チームが航空電磁探査でグレートソルトレイクの地下に深さ4キロメートルに及ぶ巨大な淡水帯水層を発見。予想以上に湖の内部まで広がっており、乾燥した湖底から発生する有毒粉塵の抑制にも活用できる可能性。
1993年以降、アフリカ沿岸の海面は約11.26cm上昇し、年間3.54mmの上昇率は世界平均(3.45mm)を超えています。2023-2024年のエルニーニョでは27mmの異常上昇が発生。38カ国、2億人以上の沿岸住民に影響。
ドイツのGEOMARヘルムホルツ海洋研究センターが、キール湾と研究所を直結する1.4kmの海水パイプラインを完成。毎時20立方メートルのバルト海水を研究室に供給し、気候変動下の海洋生物の実験が可能に。建設中には第二次世界大戦の不発弾除去という困難も。
国立極地研究所と東京大学が共同開発したAUV「MONACA」が南極海での航行試験中に海氷の下に閉じ込められ行方不明に。6日後にイリジウムビーコンがGPS座標を送信し、砕氷船「しらせ」によって無傷で回収されました。この技術は木星の衛星エウロパの海洋探査にもつながります。
太平洋のクラリオン・クリッパートン帯(CCZ)で24種の未知の端脚類が発見され、さらに新超科Mirabestioidea(ミラベスティア上科)という生命の系統樹の新たな枝が見つかりました。深海採掘が検討される海域での生物多様性の重要性を示す発見です。
シュミット海洋研究所がR/V Falkor (too)の船首を科学調査用に再設計し、水深6,000mまで72時間潜行可能な最新鋭AUV「The Childlike Empress」を導入。海底マッピング200万km²を達成し、グリーンランドに匹敵する面積の海底を可視化。
シュミット海洋研究所のR/Vファルコア号による遠征で、アルゼンチン沖にバチカン市国サイズの世界最大級サンゴ礁、水深3,890mのホエールフォール、巨大幽霊クラゲ、1km²の冷湧水域を発見。28の新種候補も確認され、南大西洋の深海が生物多様性のホットスポットであることが判明。
海洋CO₂除去(mCDR)のフィールド試験における環境モニタリングの課題を、6カ国41名の専門家がGEOMARで議論。統一ガイドラインの不在、ベースラインデータの欠如、背景変動との区別困難など6つの主要課題が浮き彫りに。
科学者が発見する前に絶滅する海洋種がいる。ドイツの研究機関が立ち上げた「EuroWorm」プロジェクトは、欧州の海洋環形動物(ゴカイの仲間)の包括的ゲノムデータベースを構築し、「静かな絶滅」に対抗する新種発見の加速を目指す。
GEOMARとマックス・プランク研究所が100年分の気候シミュレーションで解明。北大西洋の海面水温低下が欧州の熱波を引き起こすメカニズムと、海洋の高解像度モデルがその再現に不可欠であることを実証。2015年・2018年の猛暑の謎に迫る。
2025年カムチャツカ半島沖M8.8地震で発生した津波を、SWOT衛星が宇宙から面的に観測し、海溝からわずか10km以内の断層すべり分布を特定。従来の「点と線」の観測を「面」に変革する津波科学の革命。Science誌に掲載。
海洋温暖化の影響が水深1,000m以上に及ぶ中、海洋微生物プランクトンの約30%を占める古細菌ニトロソプミルス・マリティムスが、温暖化した海でむしろ効率的に活動できることが判明。鉄制限下で鉄の利用効率が向上し、海洋の窒素循環を維持・強化する可能性を示す研究成果がPNASに掲載されました。
JAMSTECとOcean Censusが南海トラフと七曜海山列で実施した共同深海調査で、新種38種と新種候補28種を発見。しんかい6500を用いた調査で528ロット以上の標本を採集し、冷湧水域では従来14種だった記録が80種に激増。日本近海の深海が生物多様性のホットスポットであることが明らかになりました。
世界海洋生物種登録簿(WoRMS)が選ぶ2025年の海洋新種トップ10を一挙紹介。ダース・ベイダーに似た超巨大等脚類、トールキンのエルフ語で名づけられた深海ホヤ、日本の深海洞窟で発見された発光スナギンチャクなど、2025年だけで2,600種以上が記載された海洋新種の中から選ばれた精鋭10種。
プエルトリコ周辺の水深250〜6,000m以上の海域で撮影された映像を分析した研究が、深度と魚の体型の関係を解明。深くなるほど魚はウナギのように細長くなり、底生の待ち伏せ型捕食者が増加。NOAAのROVと有人潜水艇アルビンの映像が明かす、深海魚たちの驚くべき適応戦略。
2016年にNOAAの探査船が水深4,290mで発見した半透明のタコ「キャスパー」。無触毛タコ類として史上最深の記録を打ち立てたこの不思議な生物は、発見から10年経った今もなお学名すら付いていません。卵を守る姿やゲームでの人気など、キャスパーの10年をたどります。
MBARIのポータブルROV「MiniROV」が、水深1,230mのサーリッジで困難な海流と格闘しながら深海底マッピングに挑みました。2017年に発見された全長25mの巨大岩石構造「ビッグ・ダイナソー・ロック」の3分の2をマッピング完了。小型ROVが証明した深海探査の新たな可能性をお伝えします。
MBARIのDeep Sea 3D遠征チームが、最先端のポータブル・マッピング・システムを使い、深海底に広がるサンゴや海綿の群集を高解像度で3Dマッピング。岩石サンプルからは多毛類、カニ類、小型甲殻類など、これまで見過ごされてきた「小さな住人たち」が続々と発見されています。
MBARIの研究チームが、モントレー湾の水深1,000〜3,189mの深海から新種のクラウンジェリー Atolla reynoldsi を発見。他の Atolla と異なり長い引きずり触手を持たない謎の深海クラゲの正体が、15年の研究を経てついに明らかに。その学名には、16歳で水族館のボランティアを始めた男性への敬意が込められています。
MBARIのROV「ドク・リケッツ」がモントレー海底峡谷の水深3,268mで撮影したピンク色の魚。それは、科学にまだ知られていなかった新種のスネイルフィッシュでした。CTスキャンとDNA解析で確認された3つの新種と、深海底に広がる未知の生物多様性に迫ります。